【夏デコス】体感ハウス3.0

1体感ハウス3.0

(株)デコスでは、山口・関東の両工場に「体感ハウス」があり、工場見学の際にセルロースファイバー断熱材デコスファイバーの優れた「吸音性」を体感出来ます。

さらに、内部結露計算より高度な非定常熱湿気同時移動解析プログラム「WUFI」によるシミュレーションや容積比熱などの知見が増えたこともあり、セルロースファイバー断熱材が持つ「調湿性」について具体的な数字で説明出来るようになってきました。

そこで、デコスファイバーの優れた「調湿性」をPRするため、調湿仕様の「体感ハウス3.0」を新規製作し、デコス関東工場に設置しました。

ここでは、なかなか体感する機会のない夏デコスを実体験で学ぶことが出来ます。
さらには、調湿効果を活かす具体的な仕様検討にも役立ちます。
2実体験で学ぶ
3目次
4①概要
5壁仕様

「体感ハウス3.0」の壁仕様の特長は、

・通気層18mm
・現在最も透湿抵抗の低い耐力面材「タイガーEXハイパー」

上記の採用です。

「タイガーEXハイパー」とデコスファイバー120mmの組合せの場合、アメダスデータ最寒月の平均気温-7℃の地域までは内部結露計算で結露判定が出ないため、これまでより寒い地域での防湿層の省略が可能となっています。

また、高性能な開口部も採用しています。
6屋根仕様

「体感ハウス3.0」の屋根仕様の特長は、

・「ルーフスペーサーWB」通気層30mm
・デコスファイバー240mm
・MDF野地板

上記の採用です。

「ルーフスペーサーWB」は、セルロースファイバー断熱材の屋根断熱55kg/m3での施工を想定した通気層確保部材で、防風層としても認められるため、長期優良住宅への採用も可能です。

「MDF野地板」は、透湿抵抗の低い部材で、湿気を排出しやすく、はっ水性能もあるため長期性能に優れています。
そのため、今後は合板の野地板に代わる部材として期待されています。
7外皮計算
8Ua値


「体感ハウス3.0」の外皮性能は、Ua値0.39

5地域でのHEAT20・G1グレード基準値0.48をクリア、
6地域でのHEAT20・G2グレード基準値0.46をクリアしています。

これ以降、参考までに冬は寒い5地域(飯能)、夏は暑い6地域(熊谷)のアメダスデータを使って、言わば「厳しめ・不利側でのシミュレーション」を行います。
9内部結露計算

10飯能市
11内部結露計算のルール

「体感ハウス3.0」の内部結露計算では、建設地「飯能市」のアメダスデータがありません。
そのため、「建設地を近傍のアメダス地点を三角形の形で囲むかたちで選定し、そのうち最も温度の低い地点の値を用いる」というルールに従います。
この場合、「比企郡鳩山町:2.4℃の外気温」にてシミュレーションを行うことになります。
12壁
13屋根

■内部結露計算結果

この仕様、飯能市で壁・屋根ともに結露判定なし

したがって、「防湿層の省略可能」
そのため、セルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」の持つ調湿効果を活かす設計が可能となっています。

ちなみに、性能評価機関への「防湿層の省略」を申請する際には、設定条件やアメダスデータなど、ルールに従い算定したこのエクセルの表を添付します。
14②WUFI

冬は、この仕様で寒い5地域・飯能における内部結露計算で結露判定がないことを確認しました。

夏は、内部結露計算では夏型結露の判定が出来ません。
その理由は、公的な算定ルールが無いためです。

そのため、非定常温度湿度同時解析ソフトWUFIで夏型結露を検証します。
非定常計算でも公的には夏型結露の判定が出来ませんが、冬場の内部結露判定基準同様に相対湿度98%以下で検討を行いました。

WUFIでは、簡易的な定常での内部結露計算とは異なり、セルロースファイバー断熱材の持つ調湿性を含めた詳細なシミュレーションを行います。
なお、ここで使用するデータは、他社ではなく自社データ「デコスファイバー」の実測値であるため、精度の高いリアルなシミュレーションとなっています。
15非定常計算の計算条件と判定基準
16埼玉県熊谷市「日本一暑いまち」

また、夏型結露を検証するため、飯能より暑く条件の厳しい、埼玉県熊谷市のアメダスデータを使用しました。

ちなみに、熊谷は「日本一暑いまち」になったこともある市です。
17埼玉県熊谷市

18熊谷市
19AMeDAS
20屋根(デコス)
21壁(デコス)②

グラフの左が外気側、右が室内側。
赤が温度、緑が湿度。
冬の内部結露は、外気側の面材と断熱材の接する面、
夏型結露は、室内側の断熱材と防湿シートや石こうボードの接する面で検討出来ます


非定常計算での冬の内部結露判定は、12/1~4/30で湿度98%が基準となっています。

また、定常計算と同様に夏型結露の判定基準はありませんが、今回は冬と同様に湿度98%を基準として考えてみます。


■WUFIシミュレーション結果

耐力面材と接する屋外側では、屋根85.2%、壁90.8%で、ともに湿度が98%を下回っているため、冬の内部結露は見受けられませんでした

また、石こうボードと接する室内側では、屋根82.8%、壁80.4%で、ともに湿度が98%を下回っているため、夏型結露も見受けられませんでした
22防湿層の省略可
23屋根(デコスとGW比較)
24壁(デコスとGW比較)②

左:デコス 右:GW24K+防湿シート

この仕様、この地域でデコスと高性能GW24K(GWHG24-35)をWUFIで比較してみます。

壁・屋根ともにグラフで大きく違うのは、室内側の湿度。
GWの場合、壁・屋根ともに室内側防湿層とGWの間で湿度98%を超え、夏型結露が発生しています。
これは、夏に湿度の高い外気が壁体内のGWを通過し防湿層で止められ、露点温度に達することで夏型結露となってしまうもの。
冬、室内側の湿気を壁体内に入れないための防湿層ですが、夏は逆に外からの湿気を壁体内に止めてしまうことになっています。

一方デコスの場合、セルロースファイバー断熱材が持つ調湿性と防湿層の省略により、夏型結露は見受けられませんでした。
25結露判定まとめ
26屋根(デコスとGW+調湿気密シート比較)
27壁(デコスとGW+調湿気密シート比較)②


左:デコス 右:GW24K+調湿気密シート


さらに防湿層を夏冬で可変性のある調湿気密シートに変え、WUFIでシミュレーションを行いました。

その結果、通常の防湿フィルムと比べた場合、壁では湿度が3%ほど下がり結露判定基準の98%を下廻りました
しかし、屋根ではその効果はほぼ見られず、夏型結露の98%を超えた状況となっています。
28「体感ハウス3.0」データ実測中

現在デコスでは、「体感ハウス3.0」でのWUFIシミュレーションと実測値を比較するため、年間を通じて実測データの収集を行っています。
このデータはとりまとめ次第、公開予定です。
29③メイキング
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DAY1建材紹介

■野地板:大建工業(株)「MDF野地板」
 透湿しやすく吸水しにくい建材で、カビ・腐朽リスクを防ぐ野地板です。

■耐力面材:吉野石膏「タイガーEXハイパー」
 湿気を通しやすいため、通気層へ湿気が放出され、結露の発生が抑制される建材です。

■窓:YKK「APW330」

■透湿防水シート:旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ(株)「タイベック」
 透湿性・防水性・強度の優れた特徴で長持ちする家には欠かせない建材です。

■玄関ドア:ユダ木工(株)「MIYAMA桧 TS超断熱 玄関ドアシリーズ」
 Uw値1.00を切る0.82W/m2K、世界基準の高断熱木製ドアです。
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DAY2建材紹介

■防蟻・木材劣化対策:日本ボレイト(株)「ボロンdeガード」
   気密性の高い高断熱住宅においても、防腐防蟻に有効なホウ酸を高濃度に処理することが出来ます。
   安全・長持ち、人と環境に寄り添った防腐防蟻、木材超耐久処理。責任施工で安心です。

■コンセント、スイッチカバー:日本住環境(株)「バリアーボックス」
   空気・水蒸気・ほこりの侵入を防ぐ気密性、作業性が抜群の部材です。
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DAY3建材紹介

 木質繊維系セルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」を、断熱欠損が生じない乾式吹込み工法「デコスドライ工法」により隅々までしっかり充填しました。

■屋根通気部材:日本住環境(株) 「SEV-15」
   マルチビルドを可能にした通気見切り部材です。
   「破風・鼻隠しをスリムにしたい」「軒アリでも軒ゼロでも使える部材が欲しい」という、住宅のデザインにこだわるお客さまの要望に応える部材です。

■壁通気層保持部材:日本住環境(株)「防虫ベンツSL」
   住宅を長持ちさせるには、空気の流れる入口と出口を明確化させることが重要です。
   防虫ベンツはその入口として使用し、通気層を保持します。
38DAY4

DAY4建材紹介

■屋根、壁断熱材:(株)デコス「デコスファイバー&デコスドライ工法」
 木質繊維系セルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」を、断熱欠損が生じない乾式吹込み工法「デコスドライ工法」により隅々までしっかり充填しました。

■屋根通気層保持部材:日本住環境(株)「ルーフスペーサーWB」
   屋根を守る上で重要となる屋根通気層を確保するため垂木間に施工する、繊維系断熱材専用の屋根通気層換気材です。
 従来のルーフスペーサーの性能に防風性が加わり、モーグル(コブ)の形状も円形状になりました。屋根通気層30㎜をしっかり確保し、耐久性と排熱性が向上し住宅を長持ちさせることができます。
 長期優良住宅「防風層」適合。

■外装材:アイジー工業「SF-ガルスパンJ」
40Complete
41④スポンサー紹介
43工場見学募集中

「体感ハウス3.0」は、埼玉県飯能市のデコス関東工場にあります

ぜひ、夏デコスを体感にお越しください。

さまざまな説明や実験とともに、わかりやすくセルロースファイバー断熱材が持つ多くの特長をお伝えします。

工場見学のお申込みは下記URL、QRコードより
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皆さまのお越しをスタッフ一同心よりお待ちしております。
44体感に勝るモノなし③
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