新聞紙をリサイクルしたセルロースファイバー断熱材メーカーの株式会社デコス(本社:山口県下関市、代表取締役:安成信次)は、大建工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:億田正則)と日本セルローズファイバー工業会(王子製袋株式会社・日本製紙木材株式会社・株式会社デコス・吉水商事株式会社)とともに、主に地場工務店が建築する木造戸建て住宅における利用を目的に、外装材に木材、耐力壁にダイライトMS、断熱材にセルロースファイバーを用いた「呼吸する木造外壁」にて建築基準法に定められる「防火構造」国土交通大臣認定を取得しました。
■意匠性と脱炭素、長寿命化と調湿性の両立「セルロースファイバー断熱材とダイライトMS」
セルロースファイバー断熱材の主原料は新聞紙。ホウ素系化合物を添加し難燃処理することで、約1,000°Cの炎でも表面が炭化するだけで燃え広がりません。この特徴により、万が一の住宅火災時には延焼を遅らせ、また有毒ガスの発生も少ないものとなっています。デコスでは、この防火性能を最大限に活かし、国土交通大臣認定「防耐火構造認定」を数多く取得しています。
また、断熱材製造時の消費エネルギーが非常に少ないことも環境性能で大きな特長となっています。
さらに、木質繊維系特有の調湿性があるため結露しにくく、地場工務店が建築する木造戸建て住宅には非常に相性がよい断熱材です。
今回組合せで認定取得の外壁耐力下地材「ダイライトMS」は、高い耐震・防火性能に加えて、湿気を通しやすく、無機質系で腐りにくいため白蟻にも強さを発揮。丈夫で長持ちする住まいづくりに貢献します。
これまでは、窯業系サイディングによる防火構造認定が多く、「外装材に木材を使いたい」という声が多くありました。その声に応える今回の認定取得により、外壁の意匠性が大きく変わり地場工務店独自のデザインが可能となりました。
いわば、意匠性と脱炭素、長寿命化と調湿性の両立を図る防火構造認定となっています。
■「呼吸する木造外壁」、期待出来る認定の様々な効果
①地域の木材を外壁に利用可能となるため、意匠性に自由度を与え、さらに脱炭素・省CO2化に貢献
②確実な断熱施工が可能で断熱欠損を防ぎ居住時の冷暖房エネルギー削減や建物の長寿命化に大きく貢献
③壁を構成するダイライトMSや石膏ボードは防火性と共に透湿性が高く、木質繊維断熱材特有の吸放湿性を活かすことが可能で、そのため夏冬ともに壁体内結露の発生を抑止し、さらには室内の温湿度環境を良くする
といった様々な効果が期待出来ます。